八つ当たりにも、愛で報復

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あまりに仕事が忙し過ぎて、
悪魔嫁が精神的な余裕を無くしていた時の事。
私は天使夫に八つ当たりして申しました。
悪魔嫁
「もう疲れたわ!貴方と結婚してから大変な事ばっかりよ!!(←大嘘)
 こんな事なら、独身時代の方がよっぽど優雅だったわ!!」
まあこれは、天使夫の所為ではなく、
結婚後、さらに仕事が増えたから大変になっていただけなのですが。
※仕事を辞められる状況なのに、
 クライアントとの関係上、悪魔嫁はすぐに仕事を辞められずに居りました。
しかし、私がいくら当たり散らしましても、
天使夫は絶対に逃げる事なく、いつも必ず向き合って下さいます。
天使夫
「(ぎゅううう、と悪魔嫁を抱きしめ)ごめんね、悪魔嫁さん。
 結婚してから―――僕の方が悪魔嫁さんに怒る事は無いから、
 ケンカと言えるのか分からないけど―――ケンカして、
 どんなに悪魔嫁さんが怒っても、泣いても、
 全部含めて、僕は悪魔嫁さんと一緒に居られて、毎日幸せだよ。
 どんな日も、悪魔嫁さんと一緒なら、1日1日が僕は幸せ。
 でも、僕だけが幸せじゃダメだよね。ごめんね、僕だけ幸せで。
 大好きだよ、悪魔嫁さん。
 僕は悪魔嫁さんが辛そうな姿を見るのが辛いよ。
 だから早くお仕事、辞めて欲しいよ。
 僕だけじゃなく、悪魔嫁さんにも幸せになって貰えるよう、
 僕、いくらでもがんばるからね」
しょっちゅうヒステリーを起こす妻が待っている家になど、
ふつう、夫はいそいそと帰宅したがらないものだと思います。
しかし、天使夫は違うのです。
強く抱きしめながら「よしよし」と頭を撫で、
「大好きだよ」と頬ずりとキスを繰り返し、
私が暴れても放そうとなさいません。
ついに私が諦めますと、
決意を感じさせる口調でこう申します。
天使夫
「早くごはんに行こうね。悪魔嫁さんはお腹が空くとダメだから、
 僕は常に悪魔嫁さんに空腹を感じさせたくないんだ」

天使夫の最新の研究結果によりますと、
19:30を境に、悪魔嫁は夕食の時間が遅れるほど、
凶暴になっていくのだそうです。
そして、天使夫と悪魔嫁は、
今日もまた、夜の街に消えていくのでございました。
美味しい晩ごはんを求めて。
(家で食事をしている事も多いですが)

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