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天使夫
「僕は毎日こうして帰ってきて、悪魔嫁さんとお話して、
悪魔嫁さんと一緒にごはんが食べられるのがすごく楽しいし、
それだけで幸せなんだよ。
でも、僕がそれだけで幸せだとしても、
悪魔嫁さんにはもっともっと良い生活をして貰えるよう、がんばりたいんだ。
今は前よりもさらにその気持ちが強くなってて、パワーがみなぎってるよ」
悪魔嫁
「(ぎゅうぎゅう抱き締めてくる天使夫の腕からすり抜けつつ)
ちょっと、早くして下さらない?お肉が煮えすぎますよ?
貴方、先日『早くしないと、お肉が固くなっちゃう』って、
何度も私のコト急かしてらしたじゃないの。
本当に信じられませんわね。
食べ物の事となりますと、急に騒ぎ始めるんですから」
天使夫
「そうだったね、悪魔嫁さん。早く食べよう」
悪魔嫁
「(このお料理に関して)貴方がお肉を直前に投入する事にこだわるから、
ついさっきまでお待ちしてましたのよ。
貴方にとっては重大なコトなんでしょう?」
天使夫
「うん。ありがとう、悪魔嫁さん」
常はのんびり屋で、あまり小さな変化にも気付かない大らかな天使夫ですが、
こと、食べ物に関してだけは敏感です。
先日、食べる暇が無くて置いてあった私のパン(1個)を見つけ、
天使夫
「悪魔嫁さん、あそこにパンが置いてあったみたいだけど」
悪魔嫁
「まあ、食べ物に関してだけは本当に目ざといわね。
お昼、食べる暇が無かったのよね」
そのまま、悪魔嫁はパンの存在を忘れていたのですが、
ふと気が付くと、パンが無くなっておりました。
悪魔嫁の脳裏に、密かにパンを鞄に仕舞う天使夫の姿が想像されました。
天使夫
「悪魔嫁さん、賞味期限が切れた物は食べないけど、
僕は気にしないから、どうせ捨てられるんだったら、
僕が食べようかなと思って」
それに、天使夫はしょっちゅう、食事の始まりにこう宣言するのです。
天使夫
「全部食べるの大変だったら、無理しないで言ってね」
天使夫が俊敏になる瞬間。
それは、食べ物に関わるひとときなのでございました。