1人より2人が良くなった日。

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私はずっと、1人で居るのが1番好きでした。
「溺愛」されても、
1人で居るのと同じくらいの居心地の良さは感じられても、
1人で過ごすのを「超える」ほどではございませんでした。
しかし…!
主人は、そんな私の既成概念を打破した、
唯一の男性でした。
実は主人、交際期間中から、
やたらスマホやタブレットが振動する人だったんです。

女好きな男性でしたら、浮気を疑うところかもしれませんが、
どこからどの角度で見ても、
主人は私の事しか考えてなさそうです。
かといって、私と会っている時まで、
四六時中仕事をしているようでもございません。
迷惑メール…?
…にしても、なぜあんなしょっちゅう、
スマホやタブレットが振動してるんだろう…。
疑問に思いつつも、
相変わらず怪しい空気は皆無です。
その不思議な現象(?)は、結婚後も続きました。
私は、相手がいつ誰と連絡を取っているかとか、
詮索した事はかつてございませんでした。
が、あまりにも頻繁に主人のスマホなどが反応するものですから、
とうとうあるとき、指摘したのでございます。
悪魔嫁
「天使夫さまのスマホって、本当によく振動しますね」
主人は、いつもと変わらないのんびりした様子で、
タブレットから顔をあげると、その画面を私に見せました。
天使夫
「悪魔嫁さんが言った事を遂行するまで、
 数時間おきにアラームが鳴るよう、
 ToDoList化してるからね」

悪魔嫁
解除して下さい
見れば、私が主人に依頼した事ではなく、
私が何気なく言った発言を記録し、
全てアラームにセットしていたのです。
たとえば、
悪魔嫁
「ルドゥーテの薔薇、好きなんですよね」
天使夫
「(「ルドゥーテの薔薇」と登録。
  ルドゥーテの薔薇グッズを購入するまで、
  3時間おきにアラーム振動するようセット)」
悪魔嫁
「そろそろタオルを新調しようかしら?」
天使夫
「(「タオル」と登録。
 タオルを買いに行けるまで、
 毎日3時間おきにアラームが振動するようセット)」
また、主人は私よりずっと動作がスローですので、
自然に任せておきますと、
必ず私の方が全て家事を終えてしまいます。
主人が「何をしたら良いんだろう…」と
考えている間に、作業が終わってしまうのです。
そこで主人は言いました。
天使夫
「面倒で悪いけど、悪魔嫁さんの日課を、
 紙に書き出してくれる?」
よく溺愛結婚しても、
夫の癖や生活習慣の違いは変わらない、
とユキコ道でも言われております。
でも、日頃溺愛されていれば、
そのような些細な違いは気にならない、と。
しかし、主人は、
私が望む家事の達成水準まで微細に研究し、
私が一言も発さなくても、
完璧に気に入る環境を整えられるよう、
自主訓練を重ねたのでございます。
率先して家事を手伝ってくれる、
などとというレベルではございません。
「なるほど。悪魔嫁さんは、
 タオルはこれくらいパシパシやって、
 最後にきっちり角を揃えて引っ張ってから、
 シワをなくして干さないとイヤなんだな」
「干す順序はこう、間隔はこう」
「玄関には1足も靴を出しっ放しにしたくないんだな」
「冷蔵庫の中は、こんな形にしておきたいんだな」
「寝る前には、翌朝すぐ洗濯できるよう、
 夜の洗濯後、この分量・組み合わせで
 洗剤をセットしておきたいんだな」
「朝、シーツを洗濯したら、
 干すのは大変だから僕がやらないとな」
「お手洗いは、毎日この工程でお掃除するのか…」
「食器はこうセットしたいんだな」
「何でも1回着たら、洗濯かクリーニングで、
 コートは帰ってすぐファブリーズか」
「歩くときは悪魔嫁さんが手ぶらになるように。
 あと、歩道側を歩くのが僕」
私が好きなお茶の淹れ方までマスター。
そして、主人はついに、
実家でダラダラしている以上の快適さを
私に提供できる境地へと到達したのでございます。

※主人は朝4時起きで勉強してから出勤、
 私より帰宅が遅い仕事に従事しております。
家事だけではございません。
私の好み、とんでもなく細かい要望を、
鋭敏に察知&学習し、
日々、悪魔嫁の取扱説明書をアップデート。
これほど微に入り細を穿ち、
私の快適さを熟知している方は、
おそらく天使夫以外に居りません。
なぜなら、彼は日々、
およそ誰にも追随できないレベルまで、
この取扱説明書を改善し続けているからです。
中には、このような男性の行動を「重い」
と感じる女性もいらっしゃる事でしょう。
しかし、私は愛はいくら重くてもOK。

天使夫は言いました。
「これから先、悪魔嫁さんの為に生きていきたい。
 一生を捧げて悪魔嫁さんに尽くしていくので、
 僕と一緒に居て下さい」
…私が、1人より2人が良くなった日。
それは、ポケモ○マスターならぬ、
悪魔嫁マスターが出現した日
だったのでございます。

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