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(「底辺の食べ物~カレー編3」のつづき)
そのアンケート用紙は、
フランチャイズ本部へ届くものだったようです。
これがチェーン店でなければ、
私は勧められた時に席を移動していたかもしれません。
しかし、チェーン店であれば、
席を移動させないのは、
そういうマニュアルという可能性もございます。
言われるまでもなく、席が空いていなければ
2人がけのテーブルにつくのですから、
無理に変更して頂かなくても良いのです。
私がおもむろにアンケート用紙に記入を始めますと、
先ほどの店員さんは、急に甲斐甲斐しく、
親切な接客を始めました。
私はいつものように淡々と食事を済ませますと、
悪魔嫁
「美味しかったです。ありがとうございました」
店員さん
「ありがとうございました!!!」
アンケート用紙を書き終えて、
天使夫が会計を済ませるのをお待ちしておりました。
天使夫
「さっきの店員さん、
お会計のときに、何かサービス券までくれたよ」
悪魔嫁
「ふん。社畜の鑑ね」
悪魔嫁だけに、実にイヤな客でございます。
お店を出ますと、
私は切手不要のハガキになっているアンケート用紙を、
ポストに投函致しました。
天使夫
「あの店員さん、最初感じ悪かったから、
クレーム書いて送ったの?」
悪魔嫁
「いいえ」
悪魔嫁は取り置きのケーキを受け取りに向かいながら、
首を横に振りました。
悪魔嫁
「あのアンケートハガキには、
態度の良かった店員の名前を記入する欄がございましたので、
そこにあの店員さんの名前を書いておきました」
天使夫
「褒めておいたんだ」
悪魔嫁
「途中からは良い接客でしたので」
天使夫は、目に涙を浮かべておりました。
彼は、辛すぎるものを召し上がりますと、
目に涙が浮かぶのでございます。
悪魔嫁
「あなたに4カラは無理ね」
天使夫
「そんなことないよ。
悪魔嫁さんほど平然とは食べられないけど・・・」
悪魔嫁
「涙を浮かべてまで4カラに挑戦する気が知れないわ」
悪魔嫁は早速、覚えたばかりの業界専門用語を使いこなしながら、
天使夫と2人、ケーキ屋さんへと急いだのでございました。
~完~