嫁は誰もが、姑からの「略奪婚」

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自分が「母になる」ことを真剣に考えるようになって、
思ったことがございます。
それは、世の大半のお姑さま方が、
嫁と仲良くなれないのは当然だということ。
実は天使夫は、嫁姑間においては、
はじめは100%私の味方ではございませんでした。
それも致し方無い事だと思います。
なにせ、お義母さまは、
天使夫を育てた方なのです。
天使夫とそのお姉さまでは、
同じ親に育てられても、
全く違うキャラクターです。
ですから、主人が天使のような性格である事は、
生まれ持った性質も大きいと思いますが、
お義母さまの愛情なくして、
彼のようには育たなかった事でしょう。
天使夫が愛情深い人である以上、
実の親にだけ薄情なのも、不自然です。
けれど、天使夫は、今では100%悪魔嫁の味方で、
常々お義母さまに連絡をして来ないで欲しい、
と言い続けております。
私は思いました。
逆の立場なら、
どんな気持ちだろうかと。

命がけで産み育んできた、
自分の命よりも大切な子供の関心の対象が、
ある日突然、自分から見知らぬ女性へと、
完全に切り替わってしまうのです。
その女性は、
別に我が子を命懸けで産んだわけでも、
手塩にかけて育てたわけでもございません。
それなのに、
長年築き上げてきた愛情も信頼も関係無く、
見知らぬ女性との生活を優先し始めるのです。
そして、そこで我が子を引き留めても、
「子離れできていない」
と言われてしまいます。
息子が妻より親を優先すると、
今度は
「マザコン」「親離れできていない」
と言われてしまいます。
どんなに自分の人生を捧げ、
大切に慈しんで育て上げても、
親はいつか我が子を手放さなくてはなりません。
私は、人に悪魔嫁と称されるような女です。
夫に甲斐甲斐しく尽くすタイプでも、
自分を不幸にしてまで「良い嫁」であろうとする良妻でもございません。
ですから、どれだけお義母さまが「天使夫ロス」に嘆き悲しまれようと、
天使夫が帰りたがらない限り、義実家に無理に寄り付こうとは致しません。
けれど、これだけは覚えておこうと、
心に誓っております。
私がもし母親になったとすれば、
そのときは必ず、お義母さまと同じ辛さを受け入れる覚悟で、
子育てをしようと。
どんなに辛くても、
決して子供に執着する母にはなりません。
それがお義母さまから天使夫を略奪して結婚した私の、
せめてもの贖罪だからです。
天使夫がお義母さまをも幸せにする性格だと
十分に知っているからこそ、そう考えております。

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