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(底辺の食べ物4)
私ももちろん、もう子供ではございません。
吉野○という過酷な戦場に身をさらされても、
平然として居られる程度には成長しております。
悪魔嫁
「アタマ大盛りって何?」
天使夫
「ごはんの上の、お肉だけ多くする方法だよ」
悪魔嫁
「ふぅーん」
さすが、戦場だけあって、
吉野○には様々な専門用語が飛び交うようですね。
天使夫
「ちなみに、つゆぬき、とかもできるんだよ」
悪魔嫁
「それはまたどういうご了見?」
天使夫
「○○くんは、ごはんが好きだから、
ごはんを楽しむ為に、つゆぬきにするらしいよ」
悪魔嫁
「なら『ごはんだけ』召し上がってたら?」
私は怪訝な顔をしながらも、
主人に注文してもらった「牛丼並盛り」を戴きました。
その時です。
∪の字テーブルの向かい側に座った
親子(父と息子)が、
満足気に牛丼の会計を済ますと、
こう仰ったのです。
対岸の敵
「じゃ、ドーナツ買って、帰ろうか」
悪魔嫁
「!」
やはりあのヤフー知恵袋の投稿は、
本当だったのです。
悪魔嫁の脳内で、
ドーナツは底辺の食べ物として、
公式に認定されました。
悪魔嫁
「あの方々は、吉野○とミスタードーナ○を
はしごなさろうとしておいでです」
天使夫
「幸せそうだよ」
悪魔嫁
「やっぱりドーナツは底辺の食べ物なんじゃない?」
天使夫
「本当にお金がなかったら、ドーナツは買わないかもよ」
悪魔嫁
「なるほど・・・。それもそうですね(頷)」
私は、戦場から撤退する父子の背を見送りながら、
主人の言葉に納得しておりました。
確かに、幸せそうです。
悪魔嫁
「ご馳走さまです。ありがとうございました」
店員さんにご挨拶して、銀座へ。
しかし、あの父子が世界一幸せかは分かりませんが、
かといって銀座の道行く人々より、
特別不幸そうにも、見えなかったのでございます。
天使夫
「美味しかったね~」
悪魔嫁
「そうですね。まあまあ美味しかったです。
でも夜はヘルシーなものにしましょうね」
どんな食べ物でも美味しく頂ける方が、
幸せである事は間違いございません。
(完)