「母になる」ということ2

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(「母になる」ということのつづき)
天使夫は、職場でも親戚間でも友人間でも、
その性格の良さが高く評価されているようです。
彼のおじさまは、こう仰っていました。
天使夫のおじさま
「天使夫くんはいつも本当に可愛くてねぇ~。
 小さい時ね、幼稚園のお遊戯会で、
 自分はすごい脇役だったのに、
 大喜びして全部の役を踊ってみせてくれたんだよ。

 大きくなっても、彼はとにかく優しい男だよ」

一方、幼稚園児だった頃の悪魔嫁は、
幼稚園のお遊戯会になど、興味はございませんでした。
小学生になる頃には、ピアノの発表会用に、
ブライダルショップでカラードレスをサイズ直しして作って貰い、
リムジンで会場まで運ばれておりました。
でも、どの写真もほとんど笑っておりません。
祖父の会社の従業員の方々にも、
「おひいさん(※「お姫様」の方言)」「お嬢さま」
と可愛がられて育ちましたが、
「気安く声を掛けないでこの愚民」
と内心呟き、
一瞥して無視するという破綻児。

ただ、お行儀だけは良かったですけれど。
表面上は、物静かで大人びた子供に見えたと思います。
これが不思議なもので、
悪魔嫁の妹と弟は天使のような性格なのです。

幼少期の悪魔嫁は、
妹を召使い扱いしておりましたのに。

とにかく、ワガママで意地悪で傲慢で、
子供らしくきゃっきゃとはしゃぐ事も無かったのですね。
さらに、薄情な上に、口はよく立ちましたので、
実際に私を育ててくれた人たちでなければ、
到底手に負えない可愛げのない子供でした。
自分で思いますが、
絶対自分に似た子供を育てたくございません。

天使夫にも、子供の面倒を見る暇がございましたら、
私のお世話をして欲しいですもの。
私が母親に向かないタイプである事は、
明白でしょう。
(つづく)

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