底辺の食べ物2

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(底辺の食べ物2)

悪魔嫁
「ふぅん、そうなの。
 100円セールの日に100円ドーナツを買わないなんて、
 信じられないわね」

と申しましても、
店内で食すのは好まない悪魔嫁でございます。
(※当時から小憎たらしかった悪魔嫁は、幼い頃、
 「吉野○」がどんなところか連れて行ってもらったところ、
 「こんな汚いところでは食べられない」
 と泣いた
経験まであるのでございます)
ただちに厳選した100円ドーナツを自宅まで持ち帰りますと、
オーバル型のお皿に並べ、
ドーナツ1つ1つを主人にナイフで半分に切って貰い、
2人で半分ずつ色々な味を楽しみます。
その際には、必ず私の好きな銘柄で揃えたお茶のコレクションから、
今の気分とフレーバーに合う紅茶を
主人に淹れて貰うのが日課でございました。

少々気になる点としましては、
主人が半分に切ったドーナツを、
1/4よりもさらに小さく切り、
やたら惜しんでチマチマと召し上がる事くらいでしょうか。

ところがあるとき、仕事で「ヤフー知恵袋」というサイトを
これまた生まれて初めて閲覧したのですが、
そこにこんな投稿が寄せられていたのです。


ネット住民
「これだからクズは。
 底辺は底辺らしく、ドーナツ食って寝てろ!!」


私は、少なからず衝撃を受けました。
そして、帰宅しますと、
急いで主人に報告したのです。
悪魔嫁
「ドーナツは底辺の食べ物らしいですよ」
天使夫
「なるほど」

悪魔嫁
「天使夫さまは、底辺の食べ物を、
 さらにそんなコマギレにして召し上がりますの?」


天使夫
「少しでも味わう時間を引き延ばそうと思って」

悪魔嫁
「底辺の極みね」

(つづく)

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